今回は久しぶりに小説を読みました!
村田沙耶香さんの『コンビニ人間』です。
最初から入り込めて、さくさく読みやすい作品でした。
あらすじ
主人公の古倉さんは30台半ば。
就職をせずに大学時代に始めたコンビニのアルバイトを続けています。
子供の頃から変わり者で、人間関係は希薄、恋愛経験も無し。
大学時代、コンビニで仕事を始めたことをきっかけに「周囲の人たちの真似」をしたり、妹の助言を聞くことで、普通の人らしく振る舞う方法をようやく身につけました。
それが古倉さんが「初めて人間として誕生した瞬間」です。
それ以来古倉さんは私生活でもそのほとんどを「コンビニでの仕事を円滑に行うため」という基準に従って過ごしつつ、「普通」を演じ続けてきました。
しかし、歳を重ね、それによる新たな世代の人間との干渉が増えたことにより、 そのような生き方は徐々に限界に達しつつありました。
そんな時、バイト先のコンビニに白羽という男がやってきます…
これ以上書くと完全ネタバレなのでこの辺でやめときます(^^;
「普通」とは何か?
辞書で調べてみると…
変わっていないこと。
ごくありふれたものであること。
それがあたりまえであること。
また、そのさま。
とありました。
以前、「アウトプット大全」の樺沢先生がYouTubeで『日本人は「普通」を好む。人と違ったことはあまりせず、周囲の人に合わせる。そうやってみんな平均値に近づいていく。』と仰ってたことを思い出しました。
自分はどうかな?
自分は「普通」なのかな?
って考えてみると、自分はまさに樺沢先生が言ってる「日本人」の典型で、人に合わせて上手に生きてきたよねって思います。
このお話の中で主人公の古倉さんは、母親や妹、地元の友人たちが「普通」を求めていることをよくわかっているから、「普通」の人間を演じています。
「自分」のことをまるで「他人」のように客観的に見て上手に操っている…ある意味怖さも感じました。
均一な「店員」という生き物に作り直されていくのが面白かった
本文より引用
これはすごく印象に残っている1文。
「生き物」と言ってるけど、「人間」をただの「モノ」のように見ている…
不思議なこと言うなぁって思いました。
というか、やっぱり明らかに「普通」じゃない!
こうして伝染し合いながら、私たちは人間であることを保ち続けているのだと思う
本文より引用
この1文も、印象的でした。
わたしはこの1文を見たとき、これは「普通」の人のことを言ってる。だから古倉さんは「普通」を完全に演じきってるなと思いました。
夫婦はだんだん似てくるとか、いつも一緒にいる友達と話し方が似てくるとか。
それは「普通」なんじゃないかな?と。
なので、「こんなこと言う古倉さん、すごっ!」と思いました。
「白羽」という存在
このお話では途中から出てくる白羽さんがなかなか大きな存在なんですが、この人がもうほんと嫌なヤツです。
「普通」じゃないとかいう以前に、とんでもないヤツです。
でも、きっとこんな人いるんだろうなって思うし、古倉さんのような人も世の中にはいると思います。
最後に
そんな「普通じゃない」と括られてしまう人たちが生きにくい社会であることも間違いないし、それはそれで問題だとも思います。
でも、じゃあどうしたらいいんだろう…?
今の私では考えても答えがでないです。
これからもう少し考えてみます。
まとまってないやん!!笑
今回久々に小説を読みましたが、考えさせられるお話でした。
自分は完全に「普通」を求めてるし、なんだか薄っぺらいなぁって。こんな自分がちょっとイヤだなって思ってしまったりもしました。
でも自分を見つめ直す良い機会にもなりました。
これからは「普通」に囚われず世界を広げていきたい!!
…本当にまとまってませんが。笑
最後まで読んで頂きありがとうございました(^^)