今回は菅野仁さんの『友だち幻想』を読みました。
人はひとりでは生きられない?
この問いの答えは人によっていろいろだと思いますが、結局は経済的・身体的な条件が揃えばひとりで生きていくことは不可能ではない!というところです。
ひとりで生きていると思い込んでいても、人はどこかで必ず他の人々とのつながりを求めがちになるだろう
友だち幻想(ちくまプリマー新書)より引用
しかし、菅野さんが言っているとおり、人は皆、人とのつながりを求めているものだろうと私は思います。
本を読みながら、この問いの答えを深く考えました。
それこそひとりで生きるだけなら先にも言ったとおり条件が揃えばひとりで生きられます。
でも、「充実した日々」をひとりで生きることは不可能だなという私なりの答えが出ました。
人とのつながりを大事にしつつ、でも人との関係であまり悩まず生きるための作法を、今回この本から得られたと思います。
他者=自分以外の人間
この本では、「他者」という言葉が頻繁に使われていました。
自分以外の人間は全て他者ということで、世の中の他者はふたつに分けられます。
- 見知らぬ他者=他人
- 身近な他者=すごく身近な人々(家族や恋人など)
この身近な他者に関してですが、どんなに親しくても異質性を持った他者だと思うことが重要とありました。
例えば
「親子なのになんでわかってくれないの?」とか
「ずっと仲良しな友だちだからわかってくれるよね?」
などという気持ちを抱くと、苦しい思いをしかねません。
親子であっても昔からの親友と思える人であっても異質性を持った他者なのです。
信頼できる他者を見つけることが生きていく上では重要ですが、他者に求めすぎないこともより重要だと感じました。
同調圧力
この言葉は、もっとも響きました。
同調圧力とは
その存在が逆に自分を息苦しくしたり、相手も息苦しくなっていたりするような妙な関係です。
友だち幻想(ちくまプリマー新書)より引用
自分の学生時代を思い返すと、まさにこれに苦しんでたなと思います。
女子は特にそうかなと思いますが、
「みんなが○○だから私も○○」
みたいに周りに合わせてしまう。
別に一緒にトイレなんて行きたくないのに行っちゃう。
そんなに欲しくないのにみんなが持ってるから合わせて買っちゃう。
ほんと「自分」持ってないな!って今なら思うけど。
学生時代って、友人関係はなにかと難しかったです。
学校は偶然の関係の集合体。
傷つけ合わず、共存することがまず大事。
やっぱり苦手だなと思う相手は必ずいるものです。
同質性から共存性へ。
苦手な人とはちょっと距離を置きましょう。
でも、無視するとか避けるとかそういうことではなく、すれ違えばあいさつはするといった感じの関係性を築くことが大事だと思います。
親子関係は?
うちには3歳と1歳の娘がいます。
まだ小さいですが、子育てしていく上で参考になるなと思う内容も多く書かれていました。
親子は、子どもが生まれてすぐは他者性ゼロです。
そこから少しずつ、他者性をお互いに認めるような方向に進めていかなくてはなりません。
今我が子がまだ未満児なので、他者性なんてゼロって最初は思いました。
でも、そんな小さな子ども相手でも、
「なんでそんなことするわけ?」とか
「どうしてわかってくれないの?」ってことは
多々あります。
(次女はまだまだお話もままならないので、長女の話ですが)
そこでやっぱり「自分の子なのになんでわかってくれないの?」って思ったり、逆に「自分の子なのに」何を求めているのかわからなかったりします。
それがもうだめなんですね。
そう思うこと自体が自分を苦しめている。
それに気がつきました。
いくら私が産んだ子でも、異質性を持つ他者なわけです。
それを認めていかないといけないなと感じました。
また、子育てする上でもっとも大切な時期は思春期です。
小学校高学年~高校くらいまででしょうか?
その時期は特に、我が子がどの程度まで成熟してきているのかを見極めながら、子どもを支えるのが親の役割となります。
うちはまだ先の話ですが、このことは忘れないようにしたいです。
最後に
世の中全ての人が人間関係に何かしら悩みを抱えている、または抱えていたことがあると思います。
今回、今まで(過去に)もやもやしていたことが文章に落とされているのを読んでいくと、不思議と心が軽くなりました。
みんなそうなんだな、とも思えました。
これからは周囲の人と上手に(距離を置くところは置いて)無理せず良い関係を築いていきたいです。
人間関係とは何か。
友だち付き合いがつらい。
そんなことを考えたり思ったりしている人は、1度この本を読んでみることをオススメします。
これは本当に読んでよかったと思える本です♪
最後まで読んで頂きありがとうございました(o^∀^o)